メモ:仮想SDカードの作成について(Windows)

本項の解説は、当方の特殊な環境において、安定的にSDカードから撮影データをPCに取り込みたいというニーズにより調査したものをまとめたものです。

特殊というのは、カメラで撮影したデータをPCに取り込む際に(WiFi経由でなければ)SDカード等のメディアをリーダーにセットしてコピーすることになるかと思いますが、何が悪いのか当方のPCでは頻繁にカードリーダーの接続が切断されてしまいます。

加えて、当方が使用しているSONYやPanasonicのカメラですと、専用ユーティリティを用いてメディアから転送することで分散記録されていた動画ファイルが連結されたり、管理情報が付加されるのですが、この専用ユーティリティによる転送の間に先の切断現象が発生すると、一度登録された画像を削除する必要があるなど、非常に面倒なことになります。

そこで、いったんPCのHDD上にまとめて全てのファイルをコピーしてしまい、それを起点に専用ユーティリティで取り込む…という流れを思いついたのです。(もちろんHDDへのコピー中に切断が起きる可能性はあるが、なぜか専用ユーティリティによる転送よりは発生頻度が低い。理由は不明。)

しかし問題があり、専用ユーティリティは撮影データの吸出し元として、リムーバブルディスクのドライブのみが指定でき、HDDに退避したデータは無視されてしまいます。

(SONY:PlayMemories Home、および Panasonic : Photo Fun Studio にて当方調べ)

そのため、まず①普通にHDD上にコピーし、②HDD上に作成した仮想のSDカードリーダードライブを設置(マウント)し、そこに丸々コピー。最後に、③仮想ドライブから専用ユーティリティで最終的な画像保存場所に取り込むという計3段階のコピー(転送)を行うという面倒な内容となります。

ただ、①の作業については撮影が終わってから行う通常の作業と変わりませんし、手が空いているときにまとめて②③の作業をすれば済む話で、専用ユーティリティの転送中に切断された時よりは精神的にずいぶん楽です。(と、個人的には考えています)

前置きが長くなりましたが、説明に移ります。

使用するツールは、ImDisk という無償ツールです。ただしオリジナルのものはコマンドラインで操作する必要があり、やや癖があるので、Windows用に機能拡張された ImDisk Toolkit をここでは解説します。

ImDisk Toolkitのインストール

32bit版と64bit版があるので、Windows環境にあったものをダウンロードします。

入手先: SourceFORGE

対応しているOSは、XP、Vista、7、8、8.1、10

古いOSの一部では、.net Framework 4が追加で必要とのことです。

※Windows Serverについては未確認

ダウンロードしたZIPファイルを解凍すると、

  • install.bat
  • files.cab

2つのファイルが現れるので、install.bat を起動することで \Program Files\ImDisk 以下にインストールされます。このとき、初回のインストールでは必ずドライバーを一緒にインストールしてください。(画像参照)

とりあえず全部のチェックボックスがONになっていれば特に問題はないはずです。

全てチェックされていればスタートメニュー内に、 ImDisk 関連のショートカットが作成されます。

使用方法

Mount Image File を起動します。

まずBASICタグのオプションから、

  • 作成したい仮想メディアの容量を Sizeの欄に数値で入力します。例として256GBとした場合の画像を添付しました。
  • 仮想メディアリーダーとなるドライブレターを指定します。これは適当で良いと思います。
  • ファイルシステムは、exFATが無難かと思います。
  • 再起動後も仮想メディアを差し込んだままにしておきたい場合は、Launch at … にチェック。
  • TEMP フォルダは、今回の利用方法では不要です。(RAMディスクを作成したい場合に使用するオプションです)

つぎに、Advanced のタグへ。

  • ドライブにラベルを指定したい場合は、Drive Labelへ。
  • デフォルトだったと思いますが、Quick Format にチェック。
  • Use Mount Point は、必ず空欄にしてください

最下部の、Additional Parameters が重要です。

  • 仮想ドライブの種類を、-o オプションで指定。

(例えば -o cd と指定すると、CD・DVDドライブとしてOS側に認識されます。)今回の目的は仮想SDカードなので、-o rem と指定すればリムーバブルドライブとなり、専用ユーティリティに認識されるようになります。

  • イメージファイルの保存場所を -f オプションで指定

仮想メディアの中身となるファイルをどこに作成するかを -f オプションで指定します。例として、HDDドライブレターが Xだったので、Xドライブのルートディレクトリにvm-256GB.raw というファイルを作成した場合を画像に示しました。

この2つのオプションを繋げた、-o rem -f X:\vm-256GB.raw を Additional Parameters 欄に入力します。

以上の操作が完了したら、いよいよOKボタンを押すことで、指定したドライブ内にイメージファイルが作成されます。※右下に Done. と表示されるのを待ってください。

エクスプローラーを起動してみると、既に仮想のSDカードが接続された状態になっているのがわかると思います。

 -fオプションで指定したHDD上に作成された、実在ファイル(ここでは、vm-256GB.raw)のプロパティを表示してみると、まさしく容量が256GBと、指定した通りのサイズになっています。そして、作成された

仮想ドライブのプロパティを表示すると、容量がほぼ同等確保されているのが判ります。(ファイル管理用の領域が確保されるため、わずかに減っていますが)

仮想ドライブに対して変更があった場合、実際にはHDD上の実在ファイルに対して操作が行われているのですが、人間も専用ユーティリティも、これを意識することなく、あたかもPCに差し込まれた(仮想の)SDカード上の操作として認識します。これで、本物のカードリーダーは使わずに、HDD上から専用ユーティリティを介して安定して取り込めるようになりました。

 

 

なお、仮想メディアが不要になった場合、Basicタグの Unmount ボタンを押すと、メディアが抜かれた状態となります。※アンマウントするまでは、データの本体であるイメージファイルを削除することはできません。

また、Launch at Windows Startup オプションを指定していなかった場合、当然ながら再起動すると仮想ドライブは認識されておりませんので、イメージファイル(Additional Parameters で指定した、HDD内に実在するファイル)をエクスプローラー上で右クリックし、メニューから

Mount as ImDisk Virtual  を選びます。すると、

先ほどとは違う画面となり、既存のイメージファイルに対しての操作が行えるようになります。

具体的な操作内容は先と大差なく、デバイスタイプをFloppyとして任意のドライブレターに仮想ドライブを割り当ててOKを押すだけで完了します。

アンマウントも同様の操作で可能です。

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