ど素人が崩し字を読む羽目になった話

2018-08-17 0 投稿者: iso8 (いそはち)

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※当記事はまったくの素人(かつ、バリバリの理系)が記述しています。

歴史的な書物を読もうとしても、達筆というより線がうねうねしているだけでさっぱり判らないというのはよくあります、よね?

読めなくても支障ないだろうと思ってうん十年生きてきましたが、両親の戸籍謄本を遡って眺めていたところ、曾祖母の名前がまったく読めず、頭を抱えることになってしまいました。
くずし字です。結論を先に書きますと、「登」由来の「」でした。どんな文字かというとこんな感じ。→
電子くずし字字典「登」の検索結果
(厳密には崩し字というより変体仮名というべきですが、由来は漢字の崩し字ですので…)

種明かしをすると、実はスマートフォンだけで、簡単に調べることができます。
木簡・くずし字解読システム
こちらの画像選択ボタンをタップし、いきなりスマホのカメラを起動することも可能…
と言いたいところですが、なにしろ相手が戸籍の小さい文字なだけに、自分の機種では解析可能なサイズまで1文字分だけを拡大撮影することができませんでした。解決策として、先にスマホのカメラで撮影した画像を編集ソフトで1文字分になるようトリミングし、解読システムにアップロードするという手順を踏んでようやく解析可能となりました。実際の解析画面はこんな画面です。

実際の解析画面

解析イメージ

いくつか似た文字が提案されるので、これらを詳細にチェックしていきます。(後述)

もし、手持ちのスマホでは小さい文字が撮影できない場合、変体仮名なら以下の手段も可能です。

今回のケースでは問題の「と」に続き、普通の平仮名が組み合わさっていたので、たぶん平仮名だろうと
あたりがついていたので、変体仮名一覧表から似ている文字を探す方法を取りました。具体的にはKana Supplement(PDF) – unicode.org の2ページに、1枚にまとめられた一覧表があるので
そこから近い文字をピックアップし、文字の下のコードを3ページ以降のリストと突き合わせると読み方が判るという寸法です。問題の「と=登」(1B07B)の他、「は=半」(1B09F)、「ひ=悲」(1B0A9)、「ひ=飛」(1B0AF)あたりにも似ているので、とりあえず候補として控えておきます。

さて、候補となる文字をピックアップしたところで、詳細に突き合わせてみます。

http://clioapi.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/ZClient/W34/z_srch.php

こちらの検索窓で、先ほどの候補を1文字ずつ入力してみると、データベースに登録されている該当文字の画像がずらずらと並びます。あとは自分の目で一番近いものがある文字を選び、ようやく確定に至った次第です。

曾祖母は明治初期の生まれでした。通常使われる「と」は「止」が由来なので、名付け親が験を担いだのかもしれません。
Wikipediaの説明を拾い読みすると、変体仮名は明治中期頃より下火となり、大正時代には小学校で教えられなくなり、戦後まもなく人名への使用が禁止されたという段階があったようです。

参考までに、Wikipedia 変体仮名 の項目は通常の環境だと文字化け(白い□)が大量発生するはずです。が、パソコンであればフォントインストールで可能となります。(スマホでも、TTFフォントファイルを適用可能な環境ならOKのはず)

自分はこの2つを試しました。
IPAmj明朝© IPA (独立行政法人情報処理推進機構)

BabelStone Han© BabelStone Fonts

どちらも、エンドユーザーとして使用する限り、商用利用も可能なライセンスとなっています。
動画のテロップなどに焼きこむことも可能です。